前回、中小企業へ頻繁に提案するライセンス一覧及び、Server OSに関して簡単な話をしました。

製品名型番概算
Windows Server 2012 Standard Edition Open Business License 2ProcP73-05895\99,000
Windows Server 2012 Datacenter Edition Open Business License 2ProcP71-07198\530,000
Windows Server 2012 User CALR18-04364\3,800
Office Standard 2013 License021-10249\39,000
Office Professional 2013 License79P-04741\52,000
SQL Server Standard Core 2012 JPN OLP 2Lic NL CoreLic7NQ-00197\420,000

今回は、Microsoft Officeのライセンスについて記述します。

・Officeの買い方は3通り!その違いを理解しよう

マイクロソフトのOfficeは、基本的に3通りの購入方法があります。 
1:パッケージ版を電気屋やAmazonなどで購入する方法
2:Officeが最初からインストールされたパソコンを購入する方法
3: Volume Licenseで必要数まとめ買いする方法

それぞれの方法に得手不得手がありますが、個人事業主でも5台以上PCがあるならば、1の方法は除外されるかと思います。

1:パッケージ版を電気屋やAmazonなどで購入した場合

Officeを、例として3本Amazonで購入したとします。
その場合、この3本のOfficeはすべて別物として捉えられてしまうため、1本1本のプロダクトキーが異なります。
すると、どのパソコンにどのプロダクトキーでインストールしたのか、必ずわからなくなります。

Office1

・・・笑い事のように聴こえますが、実際問題情報システム管理担当者の専任が居ない事が多い中小企業では、上記問題は多く発生していると思います。

ただし、パッケージ版でもいくつかの利点があります。
・ライセンスは永続ライセンスである
・ディスクつきの商品がある

以上を前提として、2番以降の話をします。


2:Officeが最初からインストールされたパソコンを購入した場合

個人的なイメージでは、中小企業の60%がこの方法でパソコンを購入しているかと思います。
最初からインストールされているOfficeは、OEMライセンスと呼ばれます。
このOEMライセンスのメリットとデメリットは以下の通りです。

・OEMライセンスのメリット
価格が安い
WordとExcelだけ使えればいいよ、という会社がよく手にするOffice Personalですが、
DELLやHPなどのパソコンに付与する場合、アップチャージが15,000円程度になります。

最初からインストールされている
パソコンを設定する部門などが無いことが多い中小企業では、社員にパソコンを配布する手間がある程度減る
というのはメリットとなります。

・OEMライセンスのデメリット
ライセンスが永続ライセンスではない
つまり、パソコンが壊れた、または古くなって代替しよう、とした際に、
新しいパソコン用にもう一度Officeを買う必要があります
前のパソコンで使っていたOEMライセンスは、新しいパソコンでは使えません。
そのパソコンでだけ使うという条件があるから、OEMライセンスは安価なのです。

パソコンの購入時期に応じて、Officeのバージョンが異なる
2年前に購入したパソコンにはOffice2010がインストールされているが、
最近買ったパソコンにはOffice2013がインストールされている、という現象が発生します。
なんとなく詳しい人が兼任している場合が多い中小企業の情報システム担当ですが、
使ったことの無いバージョン固有の使い方などを尋ねられても、「知らんがな・・・・」ということになりかねません。
全社員が統一したソフトウェアを使用することは、結果的にTCO削減に繋がります。


3: Volume Licenseで必要数まとめ買いした場合

なんとなく難しそう、面倒そうというイメージがあるかも知れませんが、きちんとメリットデメリットを把握すればこれほど便利なものはありません。

・Volume Licenseで購入するメリット
プロダクトキーが統一化される
たとえば5本のOfficeを購入した場合、この5本は同じプロダクトキーが付与されます。
そのため、再インストールが必要になった際などの確認の手間が省けます。

永続ライセンスである
OEMと違ってライセンスが永続ライセンスです
そのため、パソコンを代替しても、以前購入したVolume LicenseのOfficeを継続使用したい場合、
Officeだけを買い直す必要はありません。

オンラインで管理できる
マイクロソフトボリュームライセンスサービスセンターというWEBサイトで、
いつでも自分が保有しているライセンス数や購入時期、
プロダクトキーなどを確認でき、ディスクイメージもダウンロードすることができます。
https://www.microsoft.com/Licensing/servicecenter/default.aspx
管理の手間が大幅に省けます

過去のバージョンを利用できる
Volume Licenseでは1つ前のバージョンの利用が公式で認められています。
そのため、今Officeを買う場合は2013しか買うことができませんが、
Volume Licenseの場合は2013のライセンスを購入し、2010で使用することができます。
そのため、社内のOfficeのバージョンを統一化させることが容易になります


・Volume License購入のデメリット

購入は3ライセンスから
新規に購入する場合、ライセンスは最低3ライセンス以上買わなければなりません。
一度新規に購入すれば、それから2年間は1本ずつ追加していくことも可能です。

Office Standard以上のバージョンしか無い
これが一番の壁かもしれません。Volume LicenseにはPersonalはありません。
そのためPower Pointを全く使う予定の無い企業の場合、この差額が無駄になります。

価格がOEMライセンスよりも高い(と思われている)
OEMで「Office Home&Business」を購入した場合、アップチャージは21,000円前後です。
それに比べて、Volume LicenseのOffice Standardを購入した場合は39,000円程度。
「倍近く高いじゃん」と言われそうですが、実態を見てみると以下のことが言えます。

Officeは息が長い。

今手元のOfficeのバージョンってなんでしょうか?
個人的見解では、ようやく2007がだいたいの企業に普及したかなといったところです。
普段行っている仕事も、正直2003のシンプルな画面で十分だとお考えだったりしませんか・・・
Officeは10年ちかく使える。MSに怒られそうですが・・・

それに比べてパソコンの寿命は短い。

クライアントPCの代替タイミングは5~6年だと考えています。
そのため10年をひとくくりにした場合、パソコン2台、OEMライセンス2本買うよりも、
パソコン2台に対してVolume Licenseを1本買うほうがお得になります。

Office2

以上のことより、長い目で見るとVolume Licenseは安い!言えると思うのです。




ここまでに記述した各項目のメリットデメリットをよく読んでいただき、
どのプランで検討するのが一番良いのか、考えてみていただけると幸いです。

ものすごく長文になってしまったので、ここで一区切りします。
次回は、マイクロソフトボリュームライセンスサービスセンターの画面構成などを説明しようかなと思います。