進化するGoogle Maps

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幼子の泣き方を形容する際に、よく「この世の終わりのような泣き方」なんてな言い方をしますけど実際にこの世の終わりとなってもそういう泣くようなことってしないですよね多分。
「ふーん」くらいのリアクションで、その後「もし終わらなかったらどうしよう」っていう気持ちから普通に仕事、または勉強などをしてそうです。

あっ(唐突)、先日Google Mapsが新しくなりましたね。

もともと提携していたゼンリンとの契約を解消、Googleが独自に地図情報サービスとして乗り出した、と。

最初のうちは地図の誤差といったところでクレームが多かったらしいですが、1ヶ月も経たずにそういったクレームも殆ど聞かれなくなりました。

これはそもそもGoogle側の開発体制変更の目的であった「早期改修」を実現したからだと思います。
以前は開発をサードベンダーへ投げていた関係上、やりたいことの実現には、車内稟議決済・発注・要件定義・実装と、それなりにフローを経なければいけません。

これが内製開発となれば、社内でやりたいことが発生した際に、それを実際に実装するまでの間が非常に短くなります。

この背景をもとに、現在Google Mapsは毎月のように新しい機能が出てくるようになりました。


そしてつい最近実装されたのが、走行時の速度表示です。
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走行時にスクショを取るわけにもいかなかったので画像は無いのですが、Googleナビで行き先を設定して走り出すと、画面右下にリアルタイムで走行速度が表示されます。

GPSを使っているだけあって結構正確で、実際の車やバイクの速度表示との誤差もわかりますし、速度違反などが懸念される場合にはアラートを表示することもできます。

この更新によって、Googleが得られるメリットを考えてみます。

Google Mapsはどんな市場を開拓するのか

・保険会社との提携

ほけん とは言わずもがな、多くの人から少しずつお金を集めて、不測の事態によって大金が必要となった会員に対し保険料を還元する仕組みです。
ただ、どうしてもこの自動車関連の保険では、「事故を起こしやすい人・起こしにくい人」とがいます。
そうしたさいに公平性に欠けるため、今では免許証がゴールドであれば割引とか、若年層の保険料は割高になっていたりとか、保険料の支払いと還元とを平準化する取り組みが実施されています。

今回のこのスピード表示の提供では、ともすればドライバーの運転の荒さといったところをデータとして蓄積できるため、保険会社と提携して「運転が丁寧なドライバーにはお安く提供する」といったサービスが可能となります。


・信号機の開発

幹線道路の信号機は、管理が一元化されていて自動車の流れを最適化するように調整されています。
このスピード情報の取得と合わさることで、どのように信号の赤青を切り替えればスムーズな交通の流れを維持できるのか、また、信号の使い勝手が落ちるとどの裏道へと交通が流れていくのかを予測することができると思います。

我が家の近所の道も、ちょっと飛ばし気味に走ると、信号が青になった瞬間に一度で通り抜けられる道があったのですが、信号のプログラムが変更となって、ほぼ各駅停車のように信号機に引っかかるようになりました。
スピード違反を撲滅するためにプログラム変更を実施したと思うのですが、結果どうなったかと言うと1本裏手の信号機の無い住宅街をビュンビュン車がぶっ飛ばしていくようになり、以前の数倍危険性が高まりました。

ビッグデータを参照することによって、こういった無駄な開発、的はずれな対策に終止符を打つことができるようになるのではないでしょうか。



まとめ


製造業は工場を作ったあと、そこで製品を作ってそれを売って利益を得ます。

が、GAFA、とくにGAFですが情報という原価ゼロの商材を売る力でとんでもない利益を得ています。
この強さがアメリカの強さにつながっているんじゃないかな、と。

今後AIが普及していけば、現状「ただ集めているだけ」のデータがもっと根底から利用されるようになっていきます。
そうした際に新しく生まれる仕事とはなんでしょう?そのためにできることはなんだろう?

そんな考えを常々持って、勉強していきたいなと思います。