福利の爆発を味わいたい
まず、「積立NISA」という言葉について少し整理しましょう。日本では、2023年までの「つみたてNISA」が2024年から「新NISA」の「つみたて投資枠」に移行しました。質問で「積立NISA」とあるので、これは恐らく新NISAの「つみたて投資枠」を指していると解釈しますね。現在の日付が2025年2月21日であることを踏まえ、新NISAのルールに基づいてお答えします。
新NISAの「つみたて投資枠」でETFは買えるのか?
新NISAの「つみたて投資枠」は、長期の積立・分散投資に適した金融商品に限定されています。対象となるのは、金融庁が定めた厳しい基準をクリアした投資信託やETFです。しかし、ETFに関しては、2025年2月時点で「つみたて投資枠」の対象として認められているものは非常に少なく、実質的にほとんどの証券会社で取り扱いが限定的です。具体的には、大和証券など一部の金融機関でしか扱っておらず、選択肢も数えるほどしかありません。
さらに、「つみたて投資枠」では分配金を頻繁に出す商品(例えば毎月分配型)は除外されるため、配当金(正確にはETFの場合「分配金」)を目的とする場合、選択肢がさらに狭まります。ETFは通常、分配金を出す仕組みですが、「つみたて投資枠」の趣旨である長期資産形成を重視する観点から、再投資型や分配金を出さない商品が優先されがちです。
「配当金もらえるETF」はあるのか?
「つみたて投資枠」で購入可能なETFの中で、分配金が支払われるものは存在しますが、2025年現在、対象銘柄はごくわずかです。以下に代表的なものを挙げます。ただし、証券会社によって取り扱いが異なるため、事前に確認が必要です。
おすすめETF例
- ダイワ上場投信-日経225(1320)
- 概要: 日経平均株価に連動するETFで、日本を代表する225銘柄に分散投資できます。
- 分配金: 年1回程度、分配金が出ることがあります。ただし金額は運用状況次第で変動し、利回りは高くない(1~2%程度が目安)。
- 特徴: 信託報酬が0.275%(税込)と低コスト。「つみたて投資枠」の基準を満たす数少ないETFの一つ。
- おすすめポイント: 安定した日本経済への投資をしたい場合に適していますが、分配金狙いだと物足りない可能性も。
- ダイワ上場投信-トピックス(1308)
- 概要: TOPIX(東証株価指数)に連動し、東証1部上場企業のほぼ全銘柄をカバー。
- 分配金: 年1回程度。利回りは日経225連動型と同程度で、1~2%前後。
- 特徴: 信託報酬は0.22%(税込)と低め。幅広い分散投資が可能。
- おすすめポイント: 日本株全体の成長を享受しつつ、少額でも分配金を得たい場合に。
注意点
- 分配金の非課税: 「つみたて投資枠」で購入したETFの分配金は非課税になります。ただし、分配金が出るとその分基準価額が下がる(分配落ち)ため、長期的な資産成長を重視する場合は再投資型の方が有利な場合も。
- 選択肢の少なさ: 前述の通り、「つみたて投資枠」で買えるETFは限られており、配当金を重視するなら「成長投資枠」で高配当ETFを検討する方が選択肢が広がります。
- 証券会社依存: 楽天証券やSBI証券などの大手ネット証券では、「つみたて投資枠」でETFの取り扱いがほぼないため、大和証券など特定銘柄を扱う証券会社を選ぶ必要があります。
高配当を求めるなら「成長投資枠」を検討
もし「配当金をもらう」ことが主目的なら、新NISAの「成長投資枠」を活用する方がおすすめです。「成長投資枠」では、より多くのETF(例えば高配当株ETF)が対象となり、以下のような銘柄が人気です:
- SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD): 分配金利回り約4~5%。
- バンガード・米国高配当株式ETF(VYM): 利回り約3%で安定性重視。
- NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489): 日本株ベースで利回り約4%。
これらは「つみたて投資枠」では買えませんが、「成長投資枠」であれば非課税メリットを享受しつつ分配金を受け取れます。
結論
「積立NISA」(つみたて投資枠)で配当金をもらえるETFは、現状では「ダイワ上場投信-日経225」や「ダイワ上場投信-トピックス」などが候補になります。ただし、分配金利回りは低めで、選択肢も少ないです。もし高配当を重視するなら、「成長投資枠」で高配当ETFを検討するか、もしくは投資信託で分配金を受け取らないタイプを選びつつ資産成長を目指す戦略も一案です。
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